練習するときの、回数、というか、やり方について
そういえば、自分はそれを知っていて、やっていて効果を感じているけれど、普段なかなかタイミングを外しちゃって、伝えきれてないなと思うことがあるので、そのことを。思いついた時にこうして書いておけるのって、いいですね。
練習するときの、回数、とか、やり方について。これは、フルートを吹くことだけには、限らないんじゃないかなと思う。楽器が違ってもそうじゃないかなと思うし、音楽に限らないかも。
自分に、何らかのやり方を学ばせているとき。フルートであれば、あるパッセージを吹きこなすこととか、例えば書道であれば、ある筆の払い具合をマスターしようとしているとき。(書道は自分ではやらないので想像ですが。カリグラフィーの練習をしてるとそういう感覚があるので、そうかな、と)
演奏を聴いていてよく思うこと。何かができてないとき、「惜しい、練習が足りてない」と思うことがあります。いわゆる「いかにも練習不足〜」というのは惜しいというより単に練習不足なんですが(それはそれで惜しいんですが)、いかにも練習をたくさんされてた形跡がわかるのにあと一歩が…という感じがする場合。ここ、というところに達してない、あとちょっと、という感じがする場合。
それで、考えていたんですが、やっぱり、練習が足りてない。足りてない、というと、単に、じゃあもっと何回も反復練習みたいにすればいいんですか?って訊かれそうなんですが、そうではなくて。
おそらく、その、その部分が思い通りに吹けるようになる「臨界点」みたいなのに達する直前で、疲れちゃって、もうその日は諦めて、練習を止めているんだと思う。同じパッセージとか、出したい音とかの追求とか、そういうのを、やってやってやってやって、「あああ疲れた」ってなった時に、もういいやって思って、止めてるんだと思う。
そこをクリアするのに、2通りのやり方があると思います。
その1:
そうやって、集中してやっているとき、体の感覚とかが乗ってきた感じがするときは、「ああ疲れた」って思っても少しだけ、もう少しだけ続けてやってみるといいと思います。もういいかな(もう今日は練習終わり!)、と思ってからも、後ほんのしばらくやっておく。その、「もういいかな」って思うのって、臨界点の直前だと思うのですよ。そして、その臨界点を超えないと、その思っている吹き方には到達できないわけだから。その臨界点の直前に来てるのに、そこで練習を止めるのは本当にもったいない。後ちょっとなんだから。
その2:
こっちの方が、体力とか精神力の極端な消耗が避けられると思います。ただ、時間に制限があるとできにくいので、休日など、ゆっくり時間が取れるときに、計画的にやるといいかも。その1で書いた臨界点に達する直前の、「ああ疲れた」って思う瞬間に、あともう一回だけくらいやったら、笛を置く。片付けないですよ、置くだけ。そして、ちょっとその辺を歩いたり(隣の部屋に行くとか)、ちょっとお水で唇を湿らせたり、洗面所へ行って自分の顔を鏡で見てくる、くらいをするといい。そして、戻ってきて笛を手に取って、すぐさっき練習してたことと同じことを、同じ集中力の感じで、やる。
どちらの場合も、臨界点(みたいなもの)を超えた場合、ちょっとナチュラルハイになったような感じで、何かに取り憑かれたかなと思うような感じで、いきなり思ったように吹けるようになってることに気づくと思います。その、ゾーンに入ったような状態で引き続き色々と練習すると、ものすごくたくさん、短時間に効率的に練習できます。
ただ、その練習を終えた後、どっと疲れていることにも気づくと思います。やっぱりそのくらい、普段は使っていない色々なエネルギーを使ってるってことでしょうね。
その2のやり方だと、そのフルートを置いた一瞬少しだけ脳とか体を休ませているので、次に吹き始めたときのゾーンが少しだけ長続きすると思う。でも、あんまりうまくいくからと調子に乗って吹いていると、本当に頭も体も疲れるので、椅子を用意しておいていつでも座れるようにしていた方がいいかもしれないです。
どちらも、集中して練習しているときのやり方です。例えば曲を吹いてて「ここぞ」というところを練習してるとき。難しく思えるパッセージとか、フレーズの持っていき方とか、音色とか。(ここができたらもういうことないのに、みたいなスペシャルな箇所ね)
ほんのちょっとの差なんですが、この「後もう2回ほど」みたいな練習を日々続けていると、どんどんと色々な意味で上手くなっていくはずですから、ぜひやってみてください。