もう一度フルートを吹こうよ(2)
ずっと以前、もっとバリバリと吹いていた時、
フルートを吹くことは無常の喜びではあったけれども、同時に、肩に重たかった。
自分のレベルを保ちたい、もっともっと思ったように吹けるようになりたい、
つまり、その時の自分のレベルでは、まだ足りない、
自分へのダメ出しをたくさんしていた。
今はわかる、そんなふうに練習していたんじゃあ、肩にも重いわけだ。
楽器を使って音を奏でる喜び、楽譜を見て音楽を再現する喜び、新たな発見をする喜び、人と合奏をすることによって新たな響きを知る喜び、
喜びは、倍ではなく、何乗にもなって、あっという間に空間の中へ広がっていく。
と、同時に、どうしても、ダメ出しは出てくる。
そもそも、自分にきちんとダメ出しができなければ、上達はしないだろう。
こう吹きたい、というのがまずあって、それに対して自分は、このように吹けている、という認識ができ、自分はここが、思うように吹けていない、というのがわかる。
次に、ではそこをどうやって、思う内容に近づけていくか。
そのあたりで、自己否定のような感情が、出てきてしまう。
できてないできてないできてない
なんて、辛い、嫌な感情だろう、と思う。それだけを見たら。
だから、そこのバランスが大事。