Playing Flute With Mami

主にフルートに関することを書いていこうと思います。

自由に吹く

基本的なこと、と言われていること、タンギングをつける、だの、音価を守る、だの、そういうことを一通り理解したなら、たまには、うーん、個人差はあると思いますが、もしかするとかなりもっと頻繁に、

思い切って好きなように吹いてみる

のもいいかなあと思います。

今私はチェンバロを弾き始めて5年ほどになりますが、フレージングやアーティキュレーションについて、つい、「その曲が作曲された当時はどのように弾かれていただろう」と考える癖ついていることに気づかされます。決して悪い癖ではない(と思う)のですが、その思考が自由に表現する感覚を縛っているのは、明らかな事実だなあと思う。

 

私のチェンバロの先生は、私がそういった形に囚われたようなことについての質問をする度に、「うーん、〇〇(その作曲家)に電話して尋ねるわけにもいかないからねー」とおっしゃるのです。おっしゃるとおり。

 

もし、実際に作曲家に尋ねることができたら、おそらく作曲家はこう言うのではないか?

「(すでに必要な指示は書き込んであるのだから、あとは)思ったままに演奏していいよ」

 

あくまで想像ですが笑

 

頭に浮かんでくるフレーズ

日常の、ぼうっと何かをやっている時(もしくは何もやってない時)、頭に何かの曲のひとフレーズが浮かんだら、きっとそれは、その日、フルートで吹くフレーズだと思う。

 

その日、ではなくて、その時期、かもしれないけれど。

 

フルートの曲をいつもいつも吹いていたら、フルートの曲が浮かぶだろうし、何か他の楽器(や歌)の曲にインスパイアされるかもしれない。(もしかすると、作曲しちゃってるかもしれない、それもいい。)

 

その時に、パッと楽器を組み立てられれば、いいけれど。なかなかそうもいかない場合もあるから、何か、しつこくしつこく頭に巡ってくるフレーズもあったりするなら、それを意識的に覚えておこうと思うのもいいかもしれない。

 

鼻歌で歌ってみるのもいい。

イメージトレーニングはとても効果的。

立ち上がって、目を閉じて、楽器を構えているつもりになってブレスをとり、そのフレーズをひとしきり、心で歌ってみる。

 

そして、ちょっと時間が取れるのであれば、楽器を組み立てることさえできれば、軽いウォーミングアップ(タンギング無しのため息のような音を数回鳴らす、など)の後に、そのフレーズだけを吹いてみる。(高音域のフレーズなら、1オクターブ下げて吹いてもいい。)

 

そんな時はアンブシュアも自然に定まるものである。

 

とにかく、抵抗しない。無理しない、頑張らない。

 

もし、時間がゆっくり取れるのであれば、ぜひゆっくりと軽い基礎練習をやって(例えばせめて1オクターブ分のロングトーンなど)、またそのフレーズを吹いてみる。

 

案外、音もちゃんと覚えてるものだし、楽譜も、そんなに探さなくても戸棚からスッと出てくる。

 

気づきは必ず出てくる。

もう一度フルートを吹こうよ(3)

なので、その、フルートを触って初めての頃に比べると少し歳をとって、フルート以外のいろいろな経験を経てきた今だからこそ、

 

思うように吹けなくても自己否定をせずに、それでもできてないところはちゃんと認識し、そこをクリアしながら、音楽の幅を、喜びの幅を広げて欲しいと、心の底から思う。

 

フルートと一緒に呼吸をし、

目の前の空間に、部屋中に、自分とフルートとで作り上げた音の波動を、喜びと共に充満させるのは、

瞑想をしているのと一緒ではないかな。

とてもアクティブな瞑想。

 

私はこれを、フルート瞑想と呼んでいます。もうこれ、誰にでもできる。是非やって欲しい。

 

 

 

 

 

 

もう一度フルートを吹こうよ(2)

ずっと以前、もっとバリバリと吹いていた時、

フルートを吹くことは無常の喜びではあったけれども、同時に、肩に重たかった。

 

自分のレベルを保ちたい、もっともっと思ったように吹けるようになりたい、

 

つまり、その時の自分のレベルでは、まだ足りない、

 

自分へのダメ出しをたくさんしていた。

今はわかる、そんなふうに練習していたんじゃあ、肩にも重いわけだ。

 

楽器を使って音を奏でる喜び、楽譜を見て音楽を再現する喜び、新たな発見をする喜び、人と合奏をすることによって新たな響きを知る喜び、

 

喜びは、倍ではなく、何乗にもなって、あっという間に空間の中へ広がっていく。

 

と、同時に、どうしても、ダメ出しは出てくる。

そもそも、自分にきちんとダメ出しができなければ、上達はしないだろう。

 

こう吹きたい、というのがまずあって、それに対して自分は、このように吹けている、という認識ができ、自分はここが、思うように吹けていない、というのがわかる。

次に、ではそこをどうやって、思う内容に近づけていくか。

 

そのあたりで、自己否定のような感情が、出てきてしまう。

 

できてないできてないできてない

 

なんて、辛い、嫌な感情だろう、と思う。それだけを見たら。

 

だから、そこのバランスが大事。

もう一度フルートを吹こうよ

たくさんのフルートを吹く人と出会いがあって、自分の中でもフルートを吹くことに関して歴史があるけれど、

この頃特に思うことは、

やっぱり、みんなに、フルートを吹いて欲しい、と思う。

 

みんな、というのは、まず、

以前に、チラッとフルートをかじった人。学校のブラスバンド部とかで、数年間やった人とか。小さい頃に習って、いろいろ受験やスポーツをやる中でフルートを辞めちゃった人とか。

 

一度吹いた経験があって、もし楽器を持っているなら、

そしてもし、ピンとくるものがあれば、ぜひ、もう一度試して欲しい。

 

このブログを読んでいるなら、きっとピンときたから読んでるのだろうしね。

 

私も、こんなところにこっそりと書き始めてるけれど、

地道に、もう一度フルートを吹こう活動を、日本語でも始めようと思いました。

口の周りの筋肉の観察(2)

今、これは、フルートなんか全然吹いたことがない、ことを前提に話しています。

「い」と「う」を交互に、ゆっくりと発音して、口の周りの筋肉の観察をします。その「い」と「う」の中間地点ほどに、フルートを吹く口の形があります。

 

正確には「い」と「う」を同時に発音しているような感じです。もっと正確には、もっといろいろ細かくありますが、今は知らなくていいです。そのうちにわかりますから。

 

今は、この口の周りの筋肉を意識することだけを考えてください。

 

唇の輪郭のまわり1センチくらいの、小さい箇所です。ほんのちょっとの場所です。手鏡を持って口だけを観察してもいいです。

 

 

(1)のなかで、もしあなたが大人だったら、と言いましたが、それには理由があります。

幼い人は、フルートを渡されたら、「フルートを吹く時は、口はこんな形だ」などとはほとんど思わず、吹きやすいように、自然に音を鳴らしてしまいます。音が鳴り始めたら、指導する人が、ちょっとしたアドバイスをすると、口を少し左右に張って、音をコントロールするコツを、自分で掴むようになります。

 

大人の場合、特に、フルートが吹きたいなあと思ってフルートを始めるような場合には、フルートを吹く口の形について、かなり先入観が入ってることが多いと思います。それが、時々、自然な柔らかい音を作る妨げになるようです。大人であっても、子供のように、自然に「ふっ」と音が鳴るのが1番良いのです。できるだけ、余分な力を入れないで、できるだけ口や口の周りの筋肉を変形させないで、できるだけ普通の顔で「ふっ」と息を送ったら「ボーッ」と音がなるように、最初の段階から持っていきたいです。

 

なので、まだ楽器が手元にないうちに、口元の筋肉について、ちょっとだけ観察をする習慣をつけるようにしておくといいです。

 

鏡に映る自分の口とその周りを目で見ていたら、その見ている筋肉は、そのうちに、思ったように自在に動かせるようになります。その動きは、ほんの少し、動くか動かないかわからないくらいの、僅かな動きです。その僅かな差は、実際に楽器を口に当てて音を吹き始めると大きな差になるのに気づきます。

 

なので、フルートがまだ目の前になくても、もう、トレーニングは始まってますよ。楽しんでください。ちょっとだけ、2、3分でいいです。やりすぎないで。気楽に。

 

口の周りの筋肉の観察(1)

もし、あなたがフルートを吹こうと思って、でもまだフルートが目の前に届いていないとしたら、今、準備できることがあります。

 

あなたがある程度以上の大人だったら、特にあります。

 

口の周りの筋肉の訓練です。

 

訓練といっても、筋トレのように何かを鍛えるのではなくて。

 

フルートを吹くときは、口の周りの筋肉を微調整します。必ずやります。誰でもフルートを吹いていれば、できるようになります。

 

ただ、もしあなたが、少し年齢の進んだ大人であれば、特に試して欲しいことがあります。

 

フルートを実際に口に当てる前に、まずしっかり、自分の口を観察してみてください。

いずれは、鏡に映る顔の前面全てと、楽器を持つようになったら、体を上から下まで、見ていただくことになりますが。とてもナルシストになってしまうかもしれませんが、それはいいことだと思います。

 

まずは、とりあえず、鏡で自分の口元を見てください。あ、い、う、え、お、などとゆっくり発音しながら、口、唇、口の周りの筋肉が、どう動いているか、感じてください。

 

母音をしっかり意識しながら、大袈裟に動かしてみてもいいし。きっと普段、口の周りの筋肉なんて、気にし内で動かしていると思います。

 

今、フルートを吹く、ということについて話してますけれど、「フルートを吹く口の形」という先入観を外してください。

 

自分の顔と口を、鏡で眺めることに慣れたら、次に、とっても自然に、「う」と言ってみてください。もちろん、よーく鏡を見て、口がどう動いているかを観察してください。

 

次に「い」。

 

「い」と「う」を交互に、ものすごく、とてもゆっくり発音すると、口の周りの動いてる筋肉がわかってきます。

 

それが、フルートを吹く時に使う筋肉です。

 

続きます。